身体中が、火で炙った鉄を押し付けられているような痛み。 苦しさのあまり身を捩ると、傷口が引きつりそうになる。 とにかく、拷問が終わっても、苦しみからは解放されなかった。 血の臭いで鼻は麻痺してしまっているし、潰された目は何も映さない。 包帯のせいで耳も聞こえてはいない。 今、自分がどこで寝ているのか、何も分からなかった。 「大丈夫か?」 そう、枕元から掛けられる声に、返事をする気力ももう枯れ果てていた。 ただ身じろぎせず、黙っていることだけ。 それだけが私に今、出来る事だった。