ふわりと微笑んだこけしと、宛先の書かれていない、折り畳まれた手紙。 ・・・・・それが、カサリ、と手に当たった。 「土方さんっ・・・・・土方さん?」 「副長、どうされたんですか!?」 地面に座り込んだ俺に、駆け寄る人影。 沖田と山崎は、驚きを隠せない声で、俺の名を呼んだ。 フルフル、と首を振りながら、俺は手にした手紙を開く。 ・・・・・下手くそな字。 慣れていない筆を使って、それでも懸命に書いたのだろう。 所々にある涙の跡を見ない振りをして、そっと目を通した。