丁寧に包まれ、結ばれた結び目をそっとほどく。 ふわっと、千歳の香りが強くなったかと思えば―――― 「・・・・・何だよ、これ・・・・・っ」 中に入っていた物を見て、新しい涙が零れ落ちた。 初めて、千歳に買ってやった着物。 一緒に花見をした時に買った、桜色の着物。 簪・・・・・大して、高級なものでもないのに。 隊服、そして―――― 「何で俺の羽織・・・・・持ってんだよ」 他とは違って、少し皺のよった俺の羽織。 自分の膝に、一つずつ乗せていくと、あっという間に底へと辿りついた。