*土方 歳三side.


『愛してる』


そう言って、千歳は空へと消えて行った。


自分の頬を涙が伝うのを感じながらも、それでも――――


涙は、止まってくれなかった。


嘘だったのかよ。


・・・・・本当は、嘘だったのかよ――――



泣きながら笑った千歳の表情が、頭に蘇る。


ぐっと涙を拭いながら、千歳の落とした風呂敷包みを手に取る。


どこか、ずっしりとした重みのあるそれ。


・・・・・そして、千歳の、あの陽だまりのような香りがした。