そんな土方を、ただ見つめている事も苦しくて。 スッと視線を逸らしてしまう。 俯いた私の瞳に映ったのは、木陰で冷たくなった砂利だけではなかった。 ――――消えかかった指先に、集まる光の粒。 「土方――――お願い。 最後のお願いが、あるんだ」 自分の手の平を後ろに隠して、土方に語りかける。 グッと目を擦った土方は、何だ、と笑いながら言った。 「何でも、聞いてやるよ」 「じゃあ――――お願いだから、絶対に振り向かないでね」 そう言って、私は土方の背を、トンッと押した。