「千歳君・・・・・ありがとう」 後ろから聞こえてくる局長の声に、また泣きそうになったけれど。 走りながら、抱きかかえた風呂敷包みに顔を押し付けて、必死に堪えた。 嫌いだった。 ううん、大嫌いな奴らだった。 いきなり誤解されて拷問されて、挙句の果てに、そんな奴らの下で暮らす事になるだなんて。 ここ、大好きだったんだな。 私、新撰組の奴ら―――― 嫌いなんかじゃ、なかった。 「・・・・・っ」 うずくまった先に、静かに降り注ぐ太陽の光。