足を一歩一歩近づけると、それが千歳なのではないか、という疑問が確信に変わっていった。 膝に頭を押さえつけ、腹の部分には風呂敷包みを抱えている。 ・・・・・千歳、一人で―――― 「千歳」 自分の声が、どこか遠くから聞こえてくるようだった。 目の前で、ゆっくりと顔を上げる千歳。 見下ろしている千歳に、浮いたように着物が被さっていた。 「土、方――――・・・・・?なんで」 「・・・・・っ。何で、じゃねぇよ!!」