「泉箕、泉箕・・・・・あり、がとう・・・・・ 私に家族をくれて、楽しい時間をくれて。 愛を、温もりを・・・・・くれてっ」 泣きじゃくりながら叫んだ言葉は、もう見えなくなってしまった泉箕に届いただろうか。 ・・・・・ううん、届いてなかったのなら、また言おう。 次――――会った、その時に。 「ありがとう・・・・・泉箕・・・・・っ」 次会ったら、一度だけ、言ってみようと思うんだ。 ・・・・・『お父さん』、そう、一度だけ。