その声と共に、薄っすらと目を開けた泉箕は、柔らかく微笑む。 弱々しいその声は、風が吹けば聞き取れなくなってしまうほど―――― 弱く、儚かった。 ただ微笑んでいるだけの泉箕は、そっと身を起こし、私の身体を抱きしめる。 そして、小さな声で、私に囁いた。 『これが、最後の一日だ』 「なっ――――!!」 『消える前に・・・・・沖田の病を治し、お前を人の子に、戻してやりたかった』 そう呟いた泉箕の顔を見ると、悔しげに唇を噛み、涙を滲ませていた。