さえずる小鳥の声が、いつもより少し敏感に鳴った耳に入る。



「・・・・・ん」



その声に目を覚ますと、自分の身体に、何故か布団が掛けられていた。


目の前の布団は、もぬけの殻。


・・・・・泉箕の姿が、どこにも無い。


慌てて布団を蹴り飛ばし、バンッと襖を開け放つ。


静かな部屋を振り返ると、私が眠っていた場所のすぐ隣に、微かな人影が見えた。



「泉箕・・・・・?」


そぅっと近付くが、その人影は微動だにせず、ただ静かに寝息を立てていた。