青い目の獣は、いずれ消え行く定めに身を投じ。


ただ、私に笑えと微笑んだ。



「くぅっ・・・・・っぅ」



――――“泣くな”、といつもなら飛んでくる声は、聞こえてこなくて。


いつもより白い月が、ただ泉箕の眠る部屋を明るく照らす。



――――もし、私が消えないでと泣いたら、泉箕はどうするだろう?


そんなこと、分かってる。


・・・・・泉箕は、困ったように、笑うだけだ。



ふと、夕方のあの考えが、心の中に泡のように浮かんで、消えた。