もし、私が消えないでって泣いたら、泉箕はどうするんだろう。 布団で眠っている泉箕を前にし、お茶をすすりながら、そんな事を考えていた。 今回ばかりは、泉箕も困った顔をして笑うだろう。 「はぁ・・・・・」 どうしようもなく、虚しさばかりが、心を占めていた。 泉箕は――――どんどん、陽炎のように薄らいで行っていた。 人の姿のまま目を閉じている泉箕は、一度も苦しむ姿を見せなかった。 『・・・・・千歳?』 「うん」 ぼんやりとしていた私を、目を覚ました泉箕が不思議そうに見つめている。