『――――・・・・・昔と、同じだの』 そう、静かに言い、泉箕は空を仰いだ。 じわっと滲む涙が、泉箕の隊服に染みていく。 気付いているんだろうけど、泉箕は何も言わず、ただ黙っていた。 昔と変わらない、泉箕の温もりが、もうすぐ空へと溶けて行ってしまう。 ・・・・・ごめん、泉箕。 心の中で呟きながら、必死に流れる涙を堪えた。 泣いちゃ、駄目だ。 私が泣くなんて、どう考えてもおかしい。 『では、そろそろ稽古に戻ろうか』 「・・・・・そう、だね」