――――夢を見た。 あの日、あいつと出逢った時の夢を。 ------ ---- -- ボロきれのような服をまとった私を、純白の衣に身を包んだ青年が手を引く。 ちょこん、と出た耳。 衣から飛び出す、白銀の尾。 ・・・・・綺麗な、輝く瞳。 "泉箕”という名が、見事にしっくりきていたのを、幼いながらも、心のどこかで感じていた。 『もう、傷は痛まぬか?』 そう言いながら、殴られた箇所をずっと、撫でていてくれた大きな手。