まだ雨が降る中、土方が差す傘の中に潜り込む。 私に合わせて、いつもよりゆっくりな歩調に、目からまた涙が零れた。 笑いながら、そんな私の頭に手を乗せる土方。 ・・・・・ここに、来たばかりの時と同じ温もり。 「ありがと、土方」 ――――今はまだ言えないけれど、いつか言えたら。 言える日が来たら―――― 「どういたしまして」 微笑む土方に、好きだと言えるだろうか。