始まった花火を見ながら、私は感動に息を飲んだ。 ここに来てから――――私は、初めての物ばかり経験している。 どれも美しく、儚いものだけれど。 「・・・・・綺麗だね、土方」 そう呟き、ほぅ・・・・・っと息をつく。 振り返ると、恐ろしいほどに優しい顔をした土方が、そっと微笑んでいた。 その目にも、顔にも、花火の光が映っていた。 それに見とれながらも、私は再び花見へと視線を向けた。 ――――いや、向けようとした。 「千歳」