動揺で固まっていた私も、話し掛けられ、パッと踵を返す。


ざわめきだす隊士達を、木刀を手にとって追い払う。



「ちょっと、終わったんなら稽古戻って」



・・・・・稽古に出ていない私が言う言葉じゃないけど。


切っ先を振り回しながら、私はさっきの言葉を、繰り返し再生していた。



――――君は、労咳だ。



その言葉が自分に向けられたものではないのに、心に重くのしかかかっていた。



「・・・・・何で、いつもいなくなるんだ」



誰に届けるわけでもなく、小さく私は呟いた。