総司は、知っていたのだろうか。


だから――――泉箕を、そっとしていたのだろうか。


震える手で、そっと泉箕を布団に横たえた俺は、静かに部屋を出る。


あんなに苦しみながら、死ぬのではなく消えて行く事に・・・・・・


あいつは、本当に怖くないのだろうか?


隊士の稽古の声が響く中、俺は壁にもたれて頭を抱える。



「どうすれば良いんだ・・・・・」



あいつの笑顔が蘇り、廊下に再び雫が落ちる。


時間は、残酷なほどに俺らを狂わせ、そして――――


ただ、大切なものを奪うだけなのか。



*土方 歳三side end.