・・・・・あいつらしくない。


いつもなら、こっちが心臓止まりそうになる位、しつこく起こしてくるのに。



「泉箕、いるのか?・・・・・入るぞ」



全く返事のない、恐ろしいほどに静まった部屋の襖を、そっと開けた。


太陽の隠れた空のせいで、部屋の中はよく見えない。


でも、人の形は見えてはいなかった。


いない・・・・・のか・・・・・?


朝も起きては来なかったのだから、脱退や脱走の可能性は少ない。


そんな、縁起でもない言葉が頭を掠めた。