心から笑う事すら忘れてしまう位に、押し潰されるほどに。



「土方・・・・・」



襖にかけようとした手は、動きを止め、掠れた声で彼の名前を呼ぶ。


皆の手前、偽って振舞う土方は心をどれだけ砕いてきたのか。


私には、想像出来ない。



「奥沢・・・・・すまない・・・・・」



そう言った土方の悲痛な声は、朝焼けの空へと溶けて消えた。


私は、何も聞いてない。


何も――――何一つ、聞いてはいないよ、土方。