「千歳・・・・・今、奥沢が亡くなった」



壬生寺の境内で膝を抱えていた私に、土方がそっと告げる。


屯所に帰り、血の臭いのする羽織を脱ぎ捨て着替えた私を、土方は静かに見下ろしていた。


その顔は、たった数刻でひどくやつれていた。


沖田が昏倒、藤堂は額を割られ、永倉は軽傷を負った。


新田と安藤は重体、そして・・・・・奥沢は、息を引き取った。



「そっか・・・・・奥沢、もういないんだね」



どこか、遠くから聞こえてくるような自分の声は、ただ軽薄に聞こえる。