それに返事をせず、私は乾いた、掠れた声で土方に話し掛けた 「奥沢・・・・・死ぬの?」 「千歳」 「何で、あいつ、死ぬの?」 土方が悲痛そうに、私の名前を呼ぶ。 別に、奥沢とはあの時初めて話した。 事件に、隊士の犠牲はいつもの事・・・・・切腹で、死ぬ者も沢山いたはずなのに。 放心状態で立ち尽くす私を、微かな血の臭いと共に、あの香りが包んだ。 視界が遮られ、一瞬見えたのは光る一つの雫。 「・・・・・帰るぞ」