------ ---- -- 「新撰組だ!!御用改め、手向かいすれば容赦なく斬り捨てる!!」 一人の隊士が四国屋へと駆けたと同時に、近藤さんは旅籠の戸を開けた。 空気をビリビリと震わせる声に、奥の部屋がざわめきだす。 慌てふためきながら出てきた主人は、私達を見た瞬間、踵を返した。 「皆様、新撰組の御用改めでございま・・・・・っ」 階下から叫んだかと思うと、薄暗い廊下に、音を立てて崩れ落ちる。 よくは見えないが、暗闇で一筋の光が見えた気がした。