「絶対に油断はするな。そして、敵に背を向けるな。

ただ前を見、我らは進むだけだ。

・・・・・いいな?」


「「「はいっ!!」」」



壬生寺の境内に集められた隊士達。


額に鉢かね、腰には刀、そしてだんだら模様の浅葱の羽織。


見慣れた彼らの服装だったが、いつも以上に引き締まり強張った顔。


そんな彼らは、近藤さんの言葉に威勢良く返事をした。



「よし、じゃあ土方隊は四国屋へ向かう。

近藤隊は、池田屋へ向かってくれ」



そう言った土方を見つめながら、私は小さく息をつく。