少しずつ日の差して来た空が、雲を透かして影を作る。 前髪が、自分の顔に影を落とし、こちらからは奥沢の顔がよく見えた。 静かな目で、奥沢は話を続けながらふわりと笑う。 「土方副長が、あんなに拷問に積極的だったのには、理由があるんです。 ただあれを楽しんでるんじゃない。 血に狂ってる訳でもないんです」 淡々と、私の中の思いを崩して行きながら、奥沢はきゅっと唇を噛み締めた。 どこか、嬉しそうに。 どこか、涙を堪えるように。 その表情にいぶかしげに、私は眉をひそめた。