張り切ったように準備を始める彼らだったが、その輪の中に、私も泉箕も入ってはいない。


この中に、いつか、私も入る日が来るのだろうか。


拷問をして、あのように感情の無い表情をするようになるのだろうか。


・・・・・いいや、違う。


あんな風になるのが嫌なんじゃない。



「土方・・・・・」



呟いた声が部屋の中に響いて消えていく中、私は襖に映る影に目を向ける。


大好きな香り、大好きな姿、大好きな――――


彼が。


ただ、戻ってきて欲しかっただけ。