・・・・・土方が、血走った目で返り血を浴びて、鬼と化しているのだと。 気付くのに、そう時間はかからなかった。 「ぐわぁぁぁ――――っ!!」 その人影が、苦しみと痛みに悲鳴を上げる。 辺りに飛び散った血痕が、恐ろしい程に鮮やかに見えた。 私が入って来た事に気が付いていないのか、拷問は続けられていた。 ・・・・・土方の瞳は、獲物を見つけた時のように、爛々と光を放っている。 「え・・・・・千歳、さん!?」 誰かが呼び止める声が聞こえた気がしたが、私は耳を塞いでその場を飛び出した。