------ ---- -- 「ほら、着いたぞ」 その、涼やかな声と共に、私の視界を薄桃色の何かが包む。 楽しそうな声が響いている中、私はその空間に目を奪われていた。 「・・・・・これ、が、桜・・・・・?」 「あぁ、これがおめぇに見せてやりたかった桜だ」 隣に立っていた土方は、フワリと目を細め、空を仰いだ。 その端正な顔を眺めながら、背景の空と、桜が、妙に彼に似合っている事に気が付く。