「・・・・・土、方。何なの、これ」



ブルブルと震える拳に、刺さってはいないが、いつもの癖で腰へと手が伸びる。


そこに刀が刺さっていない事に気が付き、グッと拳を握り締めた。



「隊服も良いが、その姿も似合ってるな。

・・・・・よし、見に行くか」



妙に満足げ、妙に誇らしげ、妙に張り切ってる副長。


そんな土方の瞳に映っている私の姿は、ただの違和感の塊でしかない。


桜色の、淡い着物。結われた黒髪。


そして、紅を差した唇。