「んじゃ、土方さんよ。ゆっくりしてこいな」 「ああ。お前はしっかり稽古しろよ」 などと軽く会話しながら、ヒラヒラと手を振る。 ・・・・・そんな暇があるなら、お前こそ早く準備をしてくれ。 というのは、心の中だけの、声だけど。 「そうだ、私への用件って何だったの?」 クルリと振り返ると、着物の肩まで肌蹴た、土方の姿。 黒い長い髪がスルリと肩を滑り――――って、何してんだ私。