どれだけそう言っても、千歳は全く寝ようとしない。 まったく・・・・・どっちが寝る必要あるんだか。 「――――ねぇ、土方」 もう一度、書き物作業に移ろうとした時、千歳が俺の着物を引っ張った。 あまりにも弱々しい力に、反応が遅れてしまう。 慌てて動きを止め、もう一度傍に屈み込んだ。 さっきよりも薄暗くなってきた部屋。 その中で、火鉢の炭が赤く燃える。 きっと、外も吹きぶって来たのだろう。 さっきからガタガタと襖が音を立てていた。