「皆さん、一旦止まってください。あと、後ろは気を付けて下さいね。 ・・・・・不逞浪士が付いて来てます」 しかし、歩きだした歩みもすぐに止まって。 沖田の静かで、それでいて緊張を含んだ声が私達に掛かる。 しん・・・・・と、緊張の輪が一番隊にも広がった。 「千歳さん、後ろにもしっかりと気を使って下さい。 では、行きますよ」 声も顔も、いつもと同じような物に変わったが、目だけは爛々と光っていた。 まるで獲物を見つけた狼みたいで。 ――――『壬生狼』の言葉が、頭をよぎった。