「なぁ、千歳。おめぇは笑ってるほうがいいぞ」



その、雪を捉えていた視線が、次は私を捉える。


その澄んだ目に、私が二人映った。


そのいつになく優しい声音に、少しだけ涙を誘われる。


それと同時に・・・・・いつもと違う、変な気持ちが込み上げてきた。


ずっと、私を見ていてほしくて。


どうしても、離したくなくて。


でも、この気持ちが何なのかまだ分からなくて。



ねぇ、少しだけ分かった気がする。


私は・・・・・あなたが、好きなのかもしれない。



「あんたの前以外じゃ、絶対に笑わないし!!」


「は!?何でだよ?」


「あんたを、人としてみてないから・・・・・とか?」


「ははっ、意味分かんねぇ!!」