「――――もう放してっ!!」



腕をつねっても、お酒の力は最強で。


私はそのまま、土方の腕の中から抜け出せずにいた。


外から零れる月明かりに、土方の妖艶な顔が照らされる。



「・・・・・!!」



今までに無いくらい、胸が音を立てた、


自分でも分かるくらい、顔が熱くなる。


柔らかな、落ち着く匂いに包まれながら、私は一つ息を吐き出した。



「――――千、歳・・・・・」



なのに、土方は私の耳元でまた呟く。



「何で、名前呼ぶのよ・・・・・」