オトシモノ~君が零した星屑~



焦りのあまり、意味も無く辺りをキョロキョロと見渡す。


ばっと広間から外へ出ようとしても、酔った隊士が邪魔で歩く場所が無い。


しかも、私の腕を土方が振り払えない強さで握っていた。


これ、もう諦めるしかないよね?



「・・・・・ん」



顔を背けながら、土方にそっともう片方の手を差し出した。


クイッと引かれた手には、あの柔らかな温もりが重く圧し掛かる。


そのまま、隊士を避けながら、そして絡んでくる隊士は足で退ける。



やっと辿り着いた広間の襖の前で、大きく溜息を吐いた。


気持ちも落ち着いた頃、支えていた土方の体がさっきよりも、重くなっていた。