「では両者構えて――――始めっ!!」 その一声で、土方の視線が鋭くなった。 獲物を狙うような狼と言うのも一つの例えだが、何よりもこう・・・・・ どちらかというと、獲物を探すような感じ。 それと共に、私の視線もきつくなり、自然と、スウッと目を細め狙いを定めた。 ピリピリと、首筋が粟立つような感覚に舌なめずりをする。 「――――フッ」 私が、もう一度竹刀を握り直した時。 土方が鼻で笑ったかと思うと、スッと竹刀を降ろした。