命令だ、と言いながら立ち上がり、立ち呆けている私の背中を押す。 その僅かな温もりに、ビクリ、と肩が揺れた。 懐かしくて、鼻の奥がツンとする。 そう言えば――――こんなに人と話したの、久しぶりかもしれない。 「さ、道場行くか」 ねぇ、土方。 そんなに優しく接さないで、もっと、突き放しておいてよ。 温もりに触れたことの無い私に、あなたの優しさは熱すぎる。