『それだけ、大事にしていて忘れられなかったのは分かる。 でも・・・・・今、そなたを大切にしてくれるこいつらがいるんだろ?』 そう諭すように、静かに私を見つめる。 でも、私を拷問したような奴だけど、それでも仲間だと思ってくれると? 心の中で、呟きながら私はそっと泉箕の言葉を聞き続けていた。 「もう、分かったから」 布団をどけ、部屋を出ながら泉箕にそう呟いて―――― 私は、外の縁に腰をかけた。 たぶん、泉箕は外には出てこないだろう。