「千歳、起きてんならこいつどうにかしろっ!!」 言い合いの最中、狸寝入りをしていた私に気が付いたのか。 凄いな、と溜息をつきながら布団から起き上がる。 「別に、あんたがどうにかしたら?」 あくまでも、私はこいつの見方だ。 青い瞳に、銀っぽい白い髪。 白く綺麗に整った顔立ちに、藍色の着流しが良く似合っている。 この、どこか狼を思わせる目を持つこいつが―――― 『我が名は、泉箕』 そう、こいつが私と契約した東北のある村の妖神。