「え・・・・・?」 振り返ると、驚いたような顔で私を見る土方。 何が起こったのか、お互いに全く分からない。 消えていく幻と、深い闇。 寂れたように見えた京の町も、ゆっくりと彩を取り戻していった。 「怪我は無いか?」 私に駆け寄り、覗き込む彼に小さく頷き返す。 何も、怪我なんて無い。 母さんは、私を傷付けようとはしなかった。 「お前――――あれ、知ってるのか?」 私の視線が、消えた母さんの姿をずっと探し続けているのを見て、そう聞いてくる。