魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−






“きっと神経質になりすぎてるだけ。”と凛は自分に言い聞かせて段ボールに近寄る。





「…秋田のお婆ちゃんからかな?愛媛の倫子叔母様からかも。」





お婆ちゃんは特産品をよく送ってきてくれる。倫子叔母様も御下がりの洋服やアクセをくれる。


もしかしたら差出人を書き忘れただけなのかも、と、ガムテープを剥がし始めた。


念入りに貼られているガムテープを剥がすのは一苦労。


何十にも交差しているガムテープに、凛は何故ここまで念入りに閉じられているのか不可解に思った。