「――――危ないの凛先輩じゃなくて、寧ろ、紗枝かもしれないですからね。」 「え?何か言った?」 「いいえ!何も!それより凛先輩の作ったアップルパイ超美味しいです!紗枝のお嫁さんになって下さい!」 無理やり話を変える紗枝を不思議に思いながらも微笑する。 明るい紗枝に、凛の不安も不思議と薄まる。 それからは紗枝がこの話題を振ることもなく和気藹々と喋っていた。そしてチャイムが鳴り、教室に戻ろうとしたとき―――… ひらりと凛のポケットから何かが落ちる。