魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−






「睨むんじゃね〜よ。俺と凛が愛し合うのにオメエは要らねえの。わかった?」





フードの隙間から睨み付けてくる男を飄々と威圧する。そして何を思ったのか、肩で息をする男の首を掴むと軽く持ち上げた。





「ふう…っふう…っ」

「はは。ばぁ〜か。」





息を荒くする男を嘲笑うと、響はを上げ、凛に告げる。





「コイツは一連の“通り魔事件”の首謀者だ。」

「はんに、ん?」

「そう言うこと。」





塞いでいた耳を離し、かたくなに閉ざしていた目を薄ら開けると、朦朧とする意識のなか、呟いた凛。




「“コイツ”凛の部屋に入っては盗撮してたんだぜ?下着盗んだり凛コレクションなんてふざけたもんを収集してやがった。」

「…っえ」

「捺君の情報収集能力は半端じゃねぇのよ。」





けらけら笑う響を横目に『誰?』とフードの男を見ながら凛は眉を顰める。


この男が通り魔事件の犯人。毎朝下駄箱に手紙を入れ、紗枝と手を組み、幹久を襲い、真葵に襲われ、紗枝に報復した男。


凛には、心が、無さすぎた。