「わ、たし、知らなかった、です。」
「態々自分の不利になることを言うヤツなんて居ないだろ。」
「…さえ、ちゃ、」
凛の頭の中では疑問と疑惑でこんがらがる。掻き回されすぎて何を紗枝に聞けば良いのか纏めることすら困難だった。
それほど紗枝への信頼は大きく、反動で返ってくるショックも大きかった。
『どうして演劇部だと黙っていたの?』
『本当に演技が得意なの?』
『泣き真似が出来るの?』
『電話の相手は誰?』
『何か危ないことをしてる?』
『幹久先輩を、襲ったのは――――――紗枝ちゃん?』
凛の目からは、ポロッと一粒の涙が零れ落ちた。

