魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−






優しく柔らかい声で名前を呼ばれた。敵意が籠ってない声を聞いた凛は、恐る恐る真横を見上げると、そこには…





「幹久、先輩?」





何故か、入院している筈の幹久が立っていた。





「え。は、え?あ、」

「久しぶりだな。」

「お、お久しぶりです―――え?」




狼狽える凛に何事もなかったかのように幹久は手を上げる。平常心すぎる幹久につられて凛もペコリと頭を下げるが、その後、またもや幹久を凝視する。





「まるで幽霊でも見たような顔をしているぞ。」

「だだだ、だって、」





今はまだ幹久は市立病院にいる筈。

そう言いたいのに吃り過ぎる凛は言えなかった。