魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−






「捺、くん?」

「それ。」

「え?」

「何?さっきから響、響、響、響。事ある度にアイツのことばっかり。凛は響の何なの?鬱陶しいんだけど。」




どうやら捺が苛立つ原因はここにあった。





「何って…」

「放っておきなよ。」

「捺くんは、心配じゃないの?」

「は?」

「響のこと…」

「寧ろ俺が心配する意味を聞きたいよ。一々アイツを心配してたら切りが無いでしょ。」

「―――危ない橋を、渡るから?」

「そう言うこと。」





よく分かってる凛に、捺は満足げに頷いた。


凛も、響のことを考え直してみる。そう言えば響は“そうだった”危ない事を仕出かしては、よく凛は呆れていた。


“呆れるだけ”だった。


しかしいつの間にか“心配”と“疑惑”になっていた。捺が言う“可笑しい”はあながち間違っていない。凛は自分の感性が可笑しくなっていることに気付く。