魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−






大したことではないけど、大したこと。


大したことではないと言うのは、確証がなくうやむやだから。


大したことと言うのは、事実かもしれないから。





「あのね、幹久先輩が入院したの。」

「幹久?――――ああ。アイツか。」

「え?知ってるの?」

「まぁ、」





言葉を濁す捺に凛は眉根を寄せた。探るような視線に気まずそうに目を逸らした捺に、更に眉根の皺が深くなる。


嫌な予感が止まらない。これは前の時にも感じたものだった。しかし凛は深く追及しないことにした。これ以上―――――――誰かを疑いたくなかった。