魅惑ボイス−それを罪と呼ぶのなら−






「大概オメエも気に入らねえが、オメエ以上に気に入らねえやつが居んだよ。」

「紗枝以上に?」





紗枝はきょとんとした。響に一番嫌われているのは確実に自分だと思っていたから。


ポッと出の女に“大事な友達”を奪われるのは気に入らないだろうと推測していた紗枝。





「ありゃあ殴り殺してえほど鬱陶しい存在だ。」





しかし蓋を開けて見ればどうだろうか。


響には紗枝よりも気に入らない存在が居た。





「へえ。誰ですか?」

「弟。」

「え、響先輩の?」

「バーカ。凛のだよ。」





その言葉に紗枝は顎が外れそうなほど口を開けて固まった。