しっかりと洗おうとこすりすぎて、顔や首がヒリヒリしてきた頃、学校に遅刻しそうな時間になってきて、ウチは顔を洗うのを止めた。
さすがに痛いけど、赤い染みが顔や首についてたら不気味に思われるだろうし、背に腹は変えられない。

外はまだまだ日差しが強い季節だし、登下校の時間に顔がさらにヒリヒリしそうで少し怖い。
今日は体育の時間が無くて校庭に出る必要が無い事に、心から感謝したかった。



居間に行くとDesire(ディザイア)がパンを食べていて、拓斗とBloodyは居なかった。


「流血、洗面所を独占しないでよ。他の人が使えなくて困っちゃうじゃない」

「ごめんね、Desire。拓斗とBloodyは?」

「もう出かけた。二人とも台所の水道で顔洗ってたよ」


…二人には、悪い事したな。後で謝らないと。
Desireがウチの顔と首を見て、すぐに目を逸らした。





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