私から嫌な汗が流れる。
夏なんだし、これ以上の汗はいらないよ。



パスタみたいなイタリアン料理に多く含まれてる食材に、吸血鬼という種族がどうしても苦手な食べ物がある。
他の吸血鬼に比べても、私は特にその食べ物が苦手。
半径5メートル以上には近付けないし、それを食べた後の人も苦手。


そんなイタリアンな食べ物は、ニンニク。




「……たっくん、パスタにニンニクは入れないよね?」


ちなみに、たっくんは比較的ニンニクは大丈夫らしい。
入ってないにこした事は無いけど。


「入れないよ、当たり前だろ。買ってきてもないし。吸血鬼が料理にニンニク入れる訳無いじゃん」

「だよね…」



そしたら、“パスタに何を使ってアクセントを付けるの?”って疑問が湧いたけど、香味野菜なんていくらでもあるし、たっくんだったら美味しく作ってくれそうな気がした。

私は、私がやらなきゃいけない洗濯に戻る事にする。





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